記録は、破るためにある
2019年、とてつもない記録に挑んだ登山家がいた
ニルマル・プルジャ
名だたる山々を、最短期間で登頂してみせるという
当初、彼の挑戦は無謀だと思われた
世界最高峰、8000mの14座
それまでの記録は、7年10か月と6日
ところが彼は、わずか189日で踏破に成功
想像を絶する偉業に、世界中が興奮した
前人未到の記録に、人々はいやおうなく惹かれてしまう
『ネーハイシーザー』
その馬もまた、高みを目指した
3歳の夏、1800mの日本レコードを樹立
一躍、注目馬となる
しかし、秋の京都では、大きな挫折を味わうことに
初めて経験する、3000mの長丁場
レース中に不整脈を発症し、大惨敗を喫する
ネーハイシーザーは、思い知らされた
菊花賞は決して力負けではない
中距離に戦いの場を戻し
産経大阪杯で、彼は矜持を取り戻す
そして、未踏の領域へ
自らの記録を更新する、驚異の日本レコード
中距離最高峰への視界は開けた
迎えた、天皇賞秋
最後の直線、ライバルたちが彼に襲い掛かる
この距離では、負けられない
その勇姿は、人の心にも深く刻まれた
到達した者だけが見られる
景色がある
そのために
己を信じきれるか
強い信念が
栄光をもたらす
ネーハイシーザー
牡馬 黒鹿毛
1990年4月27日生まれ
父：サクラトウコウ
母：ネーハイテスコ
生涯成績：23戦8勝
獲得賞金：4億4721万8000円
主な勝ち鞍：天皇賞（秋）（1994年）、産経大阪杯（1994年）、毎日王冠（1994年）
■前回の土曜名馬座
