時は明治
世界に羽ばたいた、女優がいた
川上貞奴
アメリカ、イギリスと巡演して脚光を浴び
その名は、海をこえて轟いていく
パリ万博で、妖艶に舞ったジャポニズム
フランスの演劇雑誌の表紙も飾った
ロダンやピカソも心酔した、エキゾチックな渡り鳥
彼女が叶えたものとは…
生まれた時代が、困難を強いる
眩い栄光を掴み取るまで
『ディアドラ』
世界へと羽ばたいたなでしこは、ここにもいる
旅路の始まりは、秋の京都
秋華賞で、最速の末脚を繰り出し、GⅠ初制覇
世界への扉をこじ開ける
翌年、初の海外遠征
ドバイで3着に食い込み
帰国初戦も、力の違いを見せつけて快勝
北の大地から、更なる飛躍を誓った
続くレースでは、同期のライバルと名勝負を繰り広げる
日を増すごとに募る、異国への思い
その情熱を力に変え
直線一気の豪脚で、リスグラシューに襲いかかる
これが日本で挙げた、最後の勝利
ディアドラは、ついに海外へと飛翔する
2年間で7カ国を巡り
英国では、歴史的勝利を飾った
引退してもなお、欧州にて夢の旅は続く
目指す港がない船旅では
いかなる風も助けにならない
心に羅針盤を持つ者こそ
世界を凌駕できるのだ
ディアドラ
牝馬 鹿毛
2014年4月4日生まれ
父:ハービンジャー
母:ライツェント
生涯成績:33戦8勝(中央:19戦7勝、海外:14戦1勝)
獲得賞金:中央 2億9579万7000円
主な勝ち鞍:ナッソーステークス(2019年)、府中牝馬ステークス(2018年)、クイーンステークス(2018年)、秋華賞(2017年)、紫苑ステークス(2017年)
■前回の土曜名馬座