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何もしなければ、決して負けることもない
だが、英雄の影を追って、挑み続ける者がいる
たとえ、最高峰の登頂に敗れたとしても
山がそれ以上、高くなることはない
飽くなき挑戦者は、それを知っている
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『シックスセンス』
あの英雄へと挑み続けた、サラブレッドがいた
彼がその名を広めたのは、クラシック一冠目
ディープインパクトに食らいつき
12番人気ながら、2着に食い込んでみせる
続く、日本ダービー
この日も彼は、ライバルの影を追った
今の力では、決して及ばぬことを悟りながら
その背中は遠かった
だが、挑戦は続く
無敗の最強馬に、初めて土をつけるため
彼は再び、英雄に挑んだ
善戦こそ繰り返せど
勝ちきれぬ彼を、いつしか人は、こう呼んだ
最強の1勝馬
4歳初戦の京都記念
彼は、ライバルの主戦、武豊とのコンビで挑む
ディープインパクト不在の中、負けるわけにはいかない
勝利への執念が、末脚に宿った
激闘を制したシックスセンスだったが、屈腱炎が判明
夢は、幻に終わった
敗北なら
いつでも受け入れる
たが、挑戦を忘れ
立ち尽くすのは不可能だ
それが、高みを目指す者の
さがなのか
シックスセンス
牡馬 青毛
2002年3月5日生まれ
父:サンデーサイレンス
母:デインスカヤ
生涯成績:14戦2勝
獲得賞金:2億3865万円
主な勝ち鞍:京都記念(2006年)
■前回の土曜名馬座