土曜名馬座

土曜名馬座

2020年4月25日放送「勝負師 / シルポート」

その勝負師は、常に相手の油断に付け込んだ。馬蹄投げの名手との大勝負を前に彼はあえて失敗を繰り返す。これが伝説のギャンブラーの手口。タイタニック・トンプソン。1万ドルの賭けにまで持ち込むと、彼の馬蹄は、杭へ収まる。だが、この勝利には裏がある。彼は規定よりも1フィート遠い位置に杭をずらしていたという。偉大なる勝負師か?はたまた詐欺師か?誰も真似のできない生き様がある…
土曜名馬座

2020年4月18日放送「再燃 / アルアイン」

輝ける場所を探し続けた男がいた。全盛期は去り、家族も金も名声をも失ったプロレスラーの生涯を描いた名作、映画『レスラー』。ある日、突然襲った心臓発作で主人公は、選手生命を絶たれてしまう。絶望の淵で見たものは、何だったのだろう?彼の反骨心とプライドは再燃する。ここで生きるしかない。男は再びリングへと向かう…
土曜名馬座

2020年4月11日放送「恋心 / シャダイカグラ」

美貌に目を奪われ、バレリーナのような身のこなしに、心奪われる。オードリー・ヘップバーン。気高く、無垢な美しさは半世紀以上経た今も、色褪せない。無名の彼女を、一躍ハリウッドスターにした映画『ローマの休日』。王女と新聞記者。身分の違う2人が、次第に心を寄せていく。愛し合う2人。それでも、別れの時はやってくる…
土曜名馬座

2020年4月4日放送「記録破り / ネーハイシーザー」

記録は、破るためにある。2019年、とてつもない記録に挑んだ登山家がいた。ニルマル・プルジャ。名だたる山々を、最短期間で登頂してみせるという。当初、彼の挑戦は無謀だと思われた。世界最高峰、8000mの14座。それまでの記録は、7年10か月と6日。ところが彼は、わずか189日で踏破に成功。想像を絶する偉業に、世界中が興奮した。前人未到の記録に、人々はいやおうなく惹かれてしまう…
土曜名馬座

2020年3月28日放送「型破り / ショウナンカンプ」

世俗まみれのパリに、描くべきものなど何もない。男は金融恐慌で職を追われ、画家を生業にしようと思い立つ。ポール・ゴーギャン。だが、画一的な近代主義に辟易し、未開の地、タヒチへと一人旅立つ。型を破り進んだ、新天地。そこに、彼の道はあった…
土曜名馬座

2020年3月21日放送「水のごとし / マヤノトップガン」

水とは、不思議なものだ。常に形を変え、掴もうとしても、掴めない。中国の春秋時代、その将軍は水の柔軟性に勝機を見いだした。孫武。孫子の兵法は、こう指南する。水に形がないように、戦いにも不変の態勢などない。変幻自在の戦術こそが、最大の武器となる…
土曜名馬座

2020年3月14日放送「絆 / エルプス」

私が欲しいのは、愛か死よ。その映画のヒロインは、大人びた表情で、そう言い放った。プロの殺し屋と、少女の逃避行を描いた名作、映画『レオン』。奇妙な共同生活愛も、自らの存在価値も知らない者同士が次第に心の距離を縮めていく。家族を失ったヒロインに、生きる喜びを教えられる殺し屋。深い絆は、恐怖から逃げ切る力となった…
土曜名馬座

2020年3月7日放送「背負うもの / カミノタサハラ」

天下を統一し、江戸幕府を開いた武将は、将棋をこよなく愛し、厚く保護した。徳川家康。晩年の彼には、3人の後継者候補がいたという。選ばれしは、関ヶ原の戦いで失態を犯した三男徳川秀忠。己亡きあとの、天下の行方を尋ねた父に「乱れます」と答えた、冷静さが決め手と言われる。乱世を危惧し、和平の世に腐心した後継ぎ。その重圧は、想像を絶する…
土曜名馬座

2020年2月29日放送「返り咲き / ムービースター」

行き場のないエネルギーを、若者たちはダンスにぶつけた。70年代カルチャーの象徴となった「サタデーナイトフィーバー」。ジョン・トラボルタ。しかしその後、主演を務めた彼はヒットから遠ざかり、あがき続ける。そんな彼に、あの男が声をかけた。クエンティン・タランティーノ。殺し屋を演じたこの映画で彼はスターの座に返り咲く。逆境を乗り越えた者へスポットライトは、強くまばゆい…
土曜名馬座

2020年2月22日放送「選択 / ゴールドアリュール」

人生は、日々、選択の連続だ。ジャン=ルイ・シュレッサー。表彰台に縁のなかったF1ドライバーの決断は彼の未来を切り拓いた。パリ ダカール・ラリーへの参戦。およそ2週間、9000kmの悪路を走る世界一過酷なレースに挑むと2年連続の総合制覇。勇気ある選択を、賞賛するかのように砂漠の女神がほほ笑んだ…