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土曜名馬座

2020年3月14日放送「絆 / エルプス」

私が欲しいのは、愛か死よ。その映画のヒロインは、大人びた表情で、そう言い放った。プロの殺し屋と、少女の逃避行を描いた名作、映画『レオン』。奇妙な共同生活愛も、自らの存在価値も知らない者同士が次第に心の距離を縮めていく。家族を失ったヒロインに、生きる喜びを教えられる殺し屋。深い絆は、恐怖から逃げ切る力となった…
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2020年3月7日放送「背負うもの / カミノタサハラ」

天下を統一し、江戸幕府を開いた武将は、将棋をこよなく愛し、厚く保護した。徳川家康。晩年の彼には、3人の後継者候補がいたという。選ばれしは、関ヶ原の戦いで失態を犯した三男徳川秀忠。己亡きあとの、天下の行方を尋ねた父に「乱れます」と答えた、冷静さが決め手と言われる。乱世を危惧し、和平の世に腐心した後継ぎ。その重圧は、想像を絶する…
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2020年2月29日放送「返り咲き / ムービースター」

行き場のないエネルギーを、若者たちはダンスにぶつけた。70年代カルチャーの象徴となった「サタデーナイトフィーバー」。ジョン・トラボルタ。しかしその後、主演を務めた彼はヒットから遠ざかり、あがき続ける。そんな彼に、あの男が声をかけた。クエンティン・タランティーノ。殺し屋を演じたこの映画で彼はスターの座に返り咲く。逆境を乗り越えた者へスポットライトは、強くまばゆい…
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2020年2月22日放送「選択 / ゴールドアリュール」

人生は、日々、選択の連続だ。ジャン=ルイ・シュレッサー。表彰台に縁のなかったF1ドライバーの決断は彼の未来を切り拓いた。パリ ダカール・ラリーへの参戦。およそ2週間、9000kmの悪路を走る世界一過酷なレースに挑むと2年連続の総合制覇。勇気ある選択を、賞賛するかのように砂漠の女神がほほ笑んだ…
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2020年2月15日放送「異彩 / ダイナガリバー」

人々は稀有な存在に魅せられる。その刺激は、一度知ったら、忘れがたい。美男美女がしのぎを削るハリウッドでひときわ異彩を放つ俳優。スティーヴ・ブシェミ。怖く、悲しく、ときに優しく。彼は独特の風貌と演技で、人々を魅了した。圧倒的な存在感とは、胸に焼き付き、離れぬものだ…
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2020年2月8日放送「父の背中 / リーチザクラウン」

シャンパンファイト勝者にのみ与えられる、特別な味わい。世界三大レースを制した唯一の男グラハム・ヒル。モナコ、インディ500、ル・マン。父と同じ道を選んだその息子は常にプレッシャーの中にいた。デイモン・ヒル。1996年熾烈を極めたシーズン最終戦でF1史上初、親子2代で世界チャンピオンとなる。父の背中を追い続けた末に手にした悲願のタイトルに乾杯…
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2020年2月1日放送「1cm差のバトル / フラワーパーク」

勝つためには、日々のトレーニングが欠かせない。勝負の世界で生きるとはそういうことだ。「ツール・ド・フランス」ステージ優勝14回。輝かしい記録を持つ男がいる。マルセル・キッテル。200kmを超える道のり。彼は壮絶を極めたレースを僅差で制した。あまりにも大きな1cmそれが、明暗を分けた勝負だった…
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2020年1月25日放送「いぶし銀 / ランニングフリー」

ただひたすらに、好きなことをやってきた。目の前の試合だけに集中した17年。カル・リプケン・ジュニア。彼は2632試合連続出場という、世界記録を打ち立てた。コツコツと続けることが、美徳とされなくなった時代に、彼の記録は、大切なことを教えてくれた。いぶし銀。その輝きが、人々の心を照らし出す…
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2020年1月18日放送「華麗なる変身 / テイエムプリキュア」

カメレオンは怒りや求愛、己を表すためにその姿を変える。あの女優もまた、華麗な変身で人々を魅了した。ある時は猿に、またある時は王妃に。求められれば、暗黒時代を支配する暴君にも扮する。まさに変幻自在。ヘレナ・ボナム=カーター。常に自分を塗り替えていく。そこにチャンスは生まれるのだと教えてくれる…
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2020年1月11日放送「孤高のロマン / シンザン」

相撲は人生。横綱は孤独。昭和の大横綱は、そう語った。大鵬。頂点に君臨し、時代を彩った伝説のヒーロー。その圧倒的な強さは、記録にも記憶にも残る。だが栄光は、重圧と背中合わせの日々。強者ゆえの、孤独と戦い続けていたのだろう…