誰も成し得なかったことを、全うしたい
満ち足りることのない貪欲さで
太く、長く生きた名馬がいた
尋常ではない執念
高みを目指す鋼の意志
かくして伝説は生まれた
『ヴァーミリアン』
重賞初挑戦は、2歳の暮れ
初タイトルは、芝のレース
クラシックへの登竜門だった
やがて、ダート界の覇者となる、その馬の名は…
ヴァーミリアン
ここから彼は、名馬への階段を駆け上がっていく
3歳にして、ダート路線に転向した彼が
充実の時を迎えたのは、5歳になってから
この年、交流GⅠ2勝をあげたヴァーミリアンは
一番人気で、ジャパンカップダートに挑む
前年は、4着に敗れた舞台
だが
1年前とは全く違う姿が、そこにはあった
威風堂々の走りで、中央GⅠ初制覇
ダート王者としての地位を、不動のものにする
GⅠ3連勝で迎えた、翌年のフェブラリーステークス
ダート界の完全制圧に向けて
行く手を阻むものはない
横綱相撲とは、まさにこのことか
GⅠ9勝、7年連続重賞制覇の偉業を成し遂げ
砂上に、伝説を築いた
己に満足した瞬間から
衰退が始まる
慢心という敵に
どう打ち勝つか
栄光を維持する者は
その術を知っている
ヴァーミリアン
牡馬 黒鹿毛
2002年4月10日生まれ
父：エルコンドルパサー
母：スカーレットレディ
生涯成績：34戦15勝
獲得賞金：11億6860万7500円
主な勝ち鞍：川崎記念（2010年・2007年）、JBCクラシック（2009年・2008年・2007年）、帝王賞（2009年）、フェブラリーステークス（2008年）、東京大賞典（2007年）、ジャパンカップダート（2007年）ほか
■前回の土曜名馬座