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2020年12月12日放送「悲運の天才 / レーヴディソール」

その旋律には、運命の残酷さがにじむ

若くして国際的な名声を得て

20世紀最高のチェリストと謳われた彼女

ジャクリーヌ・デュ・プレ

しかし、26歳で病魔に襲われ

42歳で、その生涯は閉じられた

やがて、甘く香る白いバラが誕生すると

早すぎる死を悼み

彼女の名が与えられたという

夭逝の天才は、美しい音色を奏でながら

今も世界中で咲き誇る

『レーヴディソール』

その天才牝馬もまた、悲運に泣いた

デビュー2戦目

紅一点で挑んだ、初めての重賞レース

男馬たちを怯ませる、大外一気の快勝劇

2歳女王決定戦では、同期の乙女たち相手に

既に役者が違うところを見せつけた

必死に食らいつくライバルたちを交わす、優雅な走りに

人々は、かぐわしき夢を見る

空まで翔けて行かんとする、レーヴディソール 

このレースの単勝支持率は

重賞レース史上最高の81.4%

プレッシャーすら楽しむかのように

ターフを舞う姿は、神々しい

だが、これが最後の飛翔となるとは

彼女の夢を奪った、大きな怪我

復帰こそ果たすも

再びあの輝きが戻ることはなかった

悲運は
人の心を打ちのめす

現実を受け入れ
魂の息吹を待つことが

乗り越える
唯一の術かもしれない

レーヴディソール
牝馬 芦毛
2008年4月8日生まれ
父:アグネスタキオン
母:レーヴドスカー

生涯成績:6戦4勝
獲得賞金:1億5493万3000円
主な勝ち鞍:チューリップ賞(2011年)、阪神ジュベナイルフィリーズ(2010年)、デイリー杯2歳ステークス(2010年)

■前回の土曜名馬座

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