100年前
南半球のテニス界に、燦然と輝いた男がいた
グレイハウンド
猟犬の名で呼ばれた彼は
俊敏かつ、美しくコートを駆ける
ジェームズ・アンダーソン
その姿は、人々を魅了した
全豪オープンでは、三度優勝
彼にとってそこは、約束の地だったのか
国際テニスの殿堂入りを果たした英雄の名は
一世紀を経てもなお、輝きを増していく
『パッションダンス』
あの場所で、彼も三度栄光を掴んだ
ディープインパクト産駒の期待に応え、デビュー勝ち
だが、度重なる怪我に泣かされ、重賞初制覇は5歳
夏の新潟だった
飛躍を目指して邁進するが
またもや怪我に見舞われ、ターフを離れること1年半
復帰後も苦戦が続くなか
光が見えたのは、やはり、この新潟
見事、2,000mの覇者となった
GⅠ奪取を目指し
8歳にして、ダートにも挑戦
ところが
得意の左回りながらも、大差の殿負け
限界か…
あの地へと、舞い戻ろう
前走の大敗からか、人気は大きく落としていた
それでもパッションダンスは、奇跡を起こす
約束の地でつかんだ、3つ目のタイトル
新潟マイスターの称号は、彼に贈るにふさわしい
もう一度
踏み出せるか
もう一度
超えられるか
その執念に
女神は微笑みを惜しまない
パッションダンス
牡馬 鹿毛
2008年4月9日生まれ
父:ディープインパクト
母:キッスパシオン
生涯成績:22戦7勝
獲得賞金:1億9707万7000円
主な勝ち鞍:新潟大賞典(2016年・2013年)、新潟記念(2015年)
■前回の土曜名馬座