親愛なる侵入者よ
ごきげんよう
野生時代の名残か
気まぐれな性格が、心を翻弄する
古代エジプト
猫は信仰の対象だった
豊作、母性、庇護の象徴として崇められている
二千年以上の時を経た今も、人と絶妙な距離を保つ
猫は、未来永劫
自由気ままであり続けるのか…
『メジロモントレー』
気まぐれな女神は、競馬界にも…
生涯一度の晴れ舞台、オークス
一番人気を取れなかったのが気に障ったか
道中は後方から…
ところが、最後の直線で
目の覚めるような末脚を繰り出した
彼女を人々はこう呼んだ…
気まぐれ娘
そんな彼女の重賞初勝利は、3歳秋のクイーンステークス
同世代の牝馬たちをねじ伏せて
次のビッグタイトル奪取に挑む
だが、勲章には興味がなかったのか
彼女が再び、GⅠの舞台に立つことはなかった
それでも、その気になった時の末脚は健在
メジロモントレーは、男馬たちを相手に
中距離路線を沸かせ続けた
そして20年後…
彼女の血が、ターフを席巻する
孫のモーリスが、国内外でGⅠを6勝
種牡馬としてGⅠ馬も送り出し
メジロモントレーの名声は、世界へと広がり続けている
人は
生まれながらにして自由だが
やがて
自ら鎖につながれていく
束の間の自由を取り戻そう
息が詰まるこんな時代だからこそ
メジロモントレー
牝馬 黒鹿毛
1986年4月25日生まれ
父:モガミ
母:メジロクインシー
生涯成績:21戦7勝
獲得賞金:2億3704万3000円
主な勝ち鞍:アメリカジョッキークラブカップ(1991年)、アルゼンチン共和国杯(1990年)、日刊スポーツ賞金杯(中山金杯)(1990年)、クイーンステークス(1989年)
■前回の土曜名馬座