魂の連鎖か
その画には、偉大なる一族の血が宿る
宗教画が主流だった時代
人々は、この風景画を愛した
『スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色』
冬スケートを楽しむ人々
よく見ると罠も
日常の危険と運命の儚さを描いたこの画には、模倣作がある
巨匠の心を、息子がなぞったものだ
受け継がれてゆく魂の絵画
ピーテル ブリューゲル(父)/ ピーテル ブリューゲル(子)
父の名声を不動のものにした子孫たち
その名は、今もなお語り継がれている
『ジェニュイン』
彼もまた、父の名を高めてみせた
後に、日本の血統図を塗り替えることになる
大種牡馬サンデーサイレンス
その初年度産駒ジェニュインは
三冠初戦で、父に初のクラシックタイトルを贈った
二冠をかけて挑んだ日本ダービー
だが、同じ父を持つタヤスツヨシの切れ味に屈し
2着に敗れてしまう
不遇の時代へ
秋は距離適性を考慮して、菊花賞を回避
古馬相手に挑んだ中距離王者決定戦だったが
勝利目前、勝ち馬の強襲に遭い、またしても惜敗
課された使命はただ一つ
父の名声を揺るぎないものに
父親譲りのスピードと底力を、いかんなく発揮
やがて巻き起こる、サンデーサイレンス旋風の先駆けとなった
燃え尽きた灰を崇拝するなど
伝統とは呼べないだろう
燃える魂を
未来に照らすことこそ
伝統なのだ
ジェニュイン
牡馬 青鹿毛
1992年4月28日生まれ
父:サンデーサイレンス
母:クルーピアレディー
生涯成績:21戦5勝
獲得賞金:5億3701万3000円
主な勝ち鞍:マイルチャンピオンシップ(1996年)、皐月賞(1995年)
■前回の土曜名馬座