土曜名馬座

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2021年7月17日放送「未開の花 / クラフトワーク」

つぼみにかかる、大きな期待。彼は、学生時代から逸材と評され、前途を嘱望された。そして、精魂込めた作品が文展に入選。竹田霞村 «老杉図»(大正5年)。だが、当時の中央画壇にはびこる、派閥争いの犠牲になったのか。翌朝、落選の知らせが届く。運命を悟った若者は、故郷に戻り、一人、画業に勤しむ。咲き誇ることを選ばずとも、そっと、人々の心に宿ることは叶うのだ…
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2021年7月10日放送「切れない息 / メイショウバトラー」

ゴルフは、再現性と持続性のスポーツだ。LPGAツアーで、33勝の大記録を樹立した女王。ベス・ダニエル。だが彼女は、勝てなかった7年間を振り返る。自分を信じるだけだったと。スランプを克服し、46歳で、史上最年長のウィナーとなる。女神は、いつも、諦めない心に宿る。屈せず、怯まず、栄光を追いかけた人生。挑み続ける者に、敗北はない…
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2021年7月3日放送「1cmの敗北 / エイシンワシントン」

あの男のベンチプレスのMAXは、225kg。ライアン・クラウザー。砲丸投げで、現役世界最高記録を誇る彼は、世界陸上ドーハ大会に挑んだ。しかし… 。ラストチャンスに、渾身のパワーを炸裂させるも、ライバルに、わずか届かず。運命の1cm。史上稀に見る、僅差の戦いは幕を閉じた…
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2021年6月26日放送「芽吹き / ヒシミラクル」

下積み時代が長く続いた、役者がいた。だが、弱さを内包する軍曹役を演じると、その主人公は、新しいヒーロー像と謳われる。ジェレミー・レナー。年をとればとるほど、本当に大切なものは、少なくなっていく。戦場で、爆弾処理に明け暮れる男が、ある時、幼い我が子に語ったセリフ。映画『ハート・ロッカー』。極限の環境が、真に大事なものを気付かせたのか。ブレイクまで十数年。1本の映画が、苦労人の真価を世に知らしめた。苦節の末に、栄光を掴んだものはここにもいる…
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2021年6月19日放送「魂を信じて / グルヴェイグ」

そのスイートボイスは、今も人の心を、鷲掴みにする。彼女は、世界に名を馳せるソウルスター。ダイアナ・ロス。娘は、プレッシャーもあったのか。シンガーの道を選ばず、女優の道へ。トレイシー・エリス・ロス。初めて歌声を披露したのは、映画だった。映画『ネクスト・ドリーム 二人で叶える夢』。公開前、母に、車の中で歌声を聴かせたという。歌うことに、畏怖の念を抱いていた娘は、一つの夢を叶えた…
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2021年6月12日放送「父の夢 / セイウンワンダー」

ボクシング界に、親子の世界王者は存在しなかった。このメキシコの父と子が、成し得るまでは…。相手との距離を保つ、冷静な戦略で、チャンピオンとなった息子。グティ・エスパダス・ジュニア。父は、凄まじい強打で高いKO率を誇る、好戦的でクレバーな王者だった。グティ・エスパダス。異なるスタイルで、世界を席巻した父と子。類まれな血の伝説は、ここにもある…
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2021年6月5日放送「キング・オブ・マイル / エアジハード」

モロッコの英雄。1マイルのドラマを作る男。ヒシャム・エルゲルージ 。前傾姿勢を維持して、大きなストライドのままピッチを上げる。あのチャンピオンのように…。よどむことなきハイペースの持続力は、天性の素質か、努力の賜物か。1999年に、彼が叩き出したタイムは、未だ破られていない。今宵、1マイルの王者に思いを馳せて…
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2021年5月29日放送「血のロマン / ダービーホース」

血のなせる技か。親子でアカデミー賞に輝いた、選ばれし者たち。父は名誉賞、息子は主演男優賞。マイケル・ダグラス、カーク・ダグラス。2人はその名の輝きを、永遠のものとした。息子がメガホンを取る映画に出演した父。ウォルター・ヒューストン、ジョン・ヒューストン。その作品で親子は、共に受賞を果たす。かつて、主演男優賞に輝いた父を持つ彼女は、オスカー女優となった。ジョン・ヴォイト、アンジェリーナ・ジョリー。血筋は争えない、それは定めなのか…
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2021年5月22日放送「美しき継承 / ダイナカール」

継承された美しさに、人生の物語が溢れる。半世紀前、演劇界で最も権威あるトニー賞に輝いた女優。ブライス・ダナー。ブロンドヘアーとハスキーボイスで、人々を虜にした。やがて彼女の娘が、新たな輝きを放つ。グウィネス・パルトロウ。飾らぬ美しさが心を揺らす、オスカー女優だ。母から娘へ、そして孫娘へ。たくましき美しさが、受け継がれてゆく。それは、世代を超える憧れ…
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2021年5月15日放送「ライバルの風 / エイジアンウインズ」

刺激的でなければ、ファッションではない。そのスピリットは、世界を魅了した。エルザ・スキャパレリ。あのココ・シャネルが、ライバルと目し、嫉妬すらした女性デザイナー。当時のパリを席巻するも、風のように、突如ファッション界を去ってしまう。それは、自分を出し切ったという、彼女の美学だったのか…