それは執念が放った輝きか
1世紀近い歴史を誇り、世界中のライダーを虜にする、イタリアの2輪車メーカー
だがレースでは、長らく辛酸をなめていた
この名門に光をもたらした男
アンドレア・ドヴィツィオーゾ
マシン開発にまで参加し、結果を求めていく
彼は、ヘルメットに黒い馬を描いた
自らを解き放ち、覚醒するために
復活の立役者は、またここにも
『メジロブライト』
彼は、名門の宿命を背負った
アイドルホース、メジロライアンの初年度産駒
注目を浴びる中、クラシックの登竜門を制し
期待を一身に集めて、大舞台へ
父と同じ1番人気に支持された日本ダービー
2着に敗れた父の仇をとり
メジロ牧場、初のダービー制覇を目指す
だが彼もまた、勝ち馬の逃げ切りに屈してしまう
クラシックは無冠に終わった
しかしまだ、果たすべき使命がある
メジロの名を冠する者
天皇賞のタイトルに挑まねば
必ず手にしてみせる
名門の誇りにかけて
重賞3連勝で迎えた天皇賞 春
名家に生まれた男の意地が、メジロブライトを突き動かす
偉大なる先輩、メジロマックイーン以来の制覇へ
これがメジロが手にした、最後の盾となった
機が熟すまで
人は見えない光を浴びている
1日を重んずるその差が
大きな財産となる
時間、経験、忍耐
それら全てを糧にして
メジロブライト
牡馬 鹿毛
1994年4月19日生まれ
父:メジロライアン
母:レールデユタン
生涯成績:25戦8勝
獲得賞金:8億3258万7000円
主な勝ち鞍:日経新春杯(1999年)、天皇賞(春)(1999年)、阪神大賞典(1999年)、アメリカジョッキークラブカップ(1998年)、ステイヤーズステークス(1997年)、共同通信杯4歳ステークス(1997年)、ラジオたんぱ杯3歳ステークス(1996年)
■前回の土曜名馬座