2022

土曜名馬座

2022年5月21日放送「女神の闘い / ベガ」

なぜ、人々は争うのか?人種隔離政策への欺瞞を小説に編んだ。南アフリカの女性作家。ナディン・ゴーディマ。アパルトヘイトの施行は、25歳の時だった。生涯にわたり、人種差別にあらがった。彼女はブッカー賞、ノーベル文学賞を受賞し、世界的に評価されている。真実を求めた女神よ…
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2022年5月14日放送「6th time / ホエールキャプチャ」

全てを欲しがるほど罪なことはない。そう語る彼女が、一途に追ったオスカー像。ケイト・ウィンスレット。数々の名作に出演するも、夢に届かぬ時を過ごした。6度目のノミネート。戦時中の罪に問われた、ミステリアスな女性を熱演し、アカデミー賞主演女優賞を掴んだ。挑んだ数だけ、手にした栄光に重みが増す…
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2022年5月7日放送「最速 / ダノンシャンティ」

速さへの憧れは、 生きる者の本能か。ブラジル人初の、五輪競泳金メダリスト。セザール・シエロ・フィーリョ。これまで届かなかった栄冠を手にした、伝説のスイマーだ。ストローク数が少なく、パワフルで大きな泳ぎが、推進力を生む。あるスイマーは言った。手に水かきがある意識で泳ぐこと。人類の泳ぐスピードは、一体どこまで伸び行くのか…
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2022年4月30日放送「世紀の連覇 / フェノーメノ」

甘いチャイがルーティン。人類の限界を超え続けたアスリート。エリウド・キプチョゲ。東京オリンピックで、史上3人目の、五輪マラソン連覇を達成。選んだ厚底シューズが話題になったが、強さの秘訣は、他にある。彼は練習記録を、ノートに書き留め続けた。数千マイルの膨大な記録が、知となり、積み重なってゆく。走る哲学者は、さらなる高みへ…
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2022年4月23日放送「BUDDY / オースミタイクーン」

黄金時代のサンフランシスコ。キャデラックで疾走する、2人の男がいた。荒くれ刑事と、仮出所中の服役囚。映画『48時間』。水と油のような個性をぶつけ合いながら、育まれていく友情。彼らの間に、手錠はいらない。エディー・マーフィー。この作品でデビューした彼は、瞬く間に、スターダムへ上り詰めた。異色のバディが繰り広げる。血湧き肉躍るストーリーは、ここにも…
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2022年4月16日放送「三者三様 / ナリタタイシン」

語り継がれる『三国志』。中国の再興を目指した、3人の英雄物語だ。革新力の曹操。外交力の孫権。仁徳の劉備。千里を駆ける駿馬は、老いて馬屋にあっても、志は千里を駆け巡る。そう語ったのは曹操。三つの熱き魂が、駆け抜けた時代だった…
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2022年4月9日放送「桜の贈り物 / プリモディーネ」

遡ること、およそ一世紀。日本の花に心酔した、アメリカの女性。ジャーナリストとして、世界中を巡り日本へ。エリザ・シドモア。夢中でカメラを向けたのは…。桜並木の美しさに、心を打たれる。生まれ故郷に、この花を…。願いが叶ったのは30年後。ワシントンの川岸に、桜が咲き誇る。海を越えた、友好の証しがあった…
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2022年4月2日放送「ごぼう抜き / キズナ」

異次元のスピードが、火花を散らす。人間技とは思えない、コーナリング。最高峰クラスで、チャンピオンに輝くこと6回。マルク・マルケス。スペインの天才ライダーだ。4歳でバイクにまたがった彼には、幼少期からのライバルがいた。ポル・エスパルガロ。頂点を目指して、共にクラスを上げながら、しのぎを削った。Moto2 Valencia GP。このレースは、最後尾から22台ごぼう抜き。ライバルだけでなく、ファンも呆れるほどの強さで、完勝した…
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2022年3月26日放送「スプリントの継承 / ビッグアーサー」

短距離選手と長距離選手。その筋肉には、明らかな違いがある。世界を驚愕させたスプリンター。ウェイド・バンニーキルク。幼い頃から熱中したラグビーが、瞬発性の高い筋肉を培ったのか。若くして競技を引退した母から、未熟児として生まれた彼は、世界の舞台を駆け抜けていく。親が誇れる、己になりたいと…
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2022年3月19日放送「あと一冠 / ネオユニヴァース」

人々が、失敗について語るのは本当だ。成功から得るものは、無いのだから。こう語った名優。ダスティン・ホフマン。観客の心を捉えて離さぬ演技力で、あまたの賞を受賞してきた。だが彼は、演技の三冠には、届いていない。アカデミー賞、エミー賞に輝くも、トニー賞を残している。あと一冠。未来の評価を待つ…