2023

土曜名馬座

2023年3月18日放送「愛馬 / ロードカナロア、キタサンブラック、ライスシャワー、アーモンドアイ、グランアレグリア、ゴールドシップ」

友よ。お前と一緒にいると、歌を歌いたくなる。鞍の下に感じる、体温と鼓動。心を委ねた者に、馬は応えてくれる。スピードに乗れば、流れ込んでくる馬の感情。感じる一体感。共に、春の風になる。それは、無常の喜びだ。
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2023年3月11日放送「秘めた薔薇 / ローズバド」

真紅の薔薇が、あの映画を思い出させる。豊かさの影に秘められた、孤独を描いた傑作 。映画『アメリカン・ビューティー』。薔薇が象徴するのは、繁栄か…。それとも、抗えの欲望か…。この花は伝えてくれる。すべてのものの背後にあるのは、慈愛の力。何も恐れることはない。愛の存在を知るべきだと…
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2023年3月4日放送「終わりなき旅 / マカヒキ」

キューバ生まれのあの男は言った。人生で大切なものは、花と女とロマンス。Buena Vista Social club (ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ)。彼は、平均年齢78歳の、バンドのメンバー。血が沸き立つようなサウンドが、世界中の音楽ファンを虜にした。年老いてもなお、彼らの音は、深みが増すばかり。人生とは、終わりなき旅。愛する音楽が、生きがいとなる。彼らにとっては、それが青春…
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2023年2月25日放送「遅咲き / サクラローレル」

数年前のアカデミー賞授賞式で、ある友情に、拍手が送られた。自分を見出した監督に、賞を告げた遅咲きの俳優。サミュエル・L・ジャクソン。スパイク・リー。埋もれていた俳優と、彼の道を切り開いた鬼才。そこに芽生えた心の絆。やがて彼は、立て続けに名作に出演。ハリウッド屈指の名バイプレイヤーに上り詰めた。真の友情は、互いの才能を輝かせる…
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2023年2月18日放送「全知全能 / アグネスデジタル」

これは全能の証し。その一部を、30億円で落札した実業家もいた。描いたのは、ルネサンスの天才芸術家。レオナルド・ダ・ヴィンチ。溢れ出る知的探求心を記し続けた。建築、科学、工学と、あらゆる分野に興味を広げ、彼の創造力は、未来を切り拓いた。もし今を生きていたら、あの天才は、何を見せてくれただろう?
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2023年2月11日放送「血の絆 / ビワハヤヒデ、ナリタブライアン」

20kgもの装備を背負って、人の命を救う消防士。強靭な肉体で炎に挑む兄弟を描いた名作がある。映画『バックドラフト』。エリートの兄と、ドロップアウトした弟。幼い頃から、折り合いの悪かった二人。だが、火災現場で窮地に陥った兄を救うべく、弟は炎に突入していく。兄弟の見えぬ絆は、互いを成長させる…
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2023年2月4日放送「勝機 / ギャロップダイナ」

馬の走りを、写真に収めたい。19世紀のアメリカで、前例のない挑戦を始めた男がいた。エドワード・マイブリッジ。莫大な予算と時間をかけて、連続写真を撮ることに成功。連続写真の魅力を引き出す装置までも生み出した。それは、後に映画誕生の礎となる。飽くなき挑戦が、時代の扉を開く…
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2023年1月28日放送「運命の選択 / モズアスコット」

究極の選択は、不意に訪れる。あの映画のワンシーンのように…。映画『ジャガーノート』。豪華客船に仕掛けられたトラップ。運命を分ける爆弾解体シーンは、手に汗を握る。赤か、青か…。二者択一の危うい賭け。永遠に繰り返される選択に、翻弄されながらも、私たちは挑み続ける。生きるとは、決断すること…
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2023年1月21日放送「切望 / マツリダゴッホ」

ドラムには、音階もセオリーも無いに等しい。ジャズなら尚更だ。ジャズドラマーを夢見た青年のストーリー。映画『セッション』。鬼気迫る名シーンが、忘れられない。指導者による厳しい試練が、彼を追い込んでいく。だが、夢を追う喜びは、誰にも奪えはしない…
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2023年1月14日放送「ダイスを振れ / アドマイヤジャパン」

原子は、太陽系のような構造を持っているといわれる。量子物理学のカリスマは、世界は、確率によって操られていると気づく。ニールス・ボーア。その理論を、天才アインシュタインによって批判されるが、彼は屈しなかった。果てなき頭脳の大激突は、理論を、さらに洗練させていった。今宵は、もう一人の天才を讃えよう…